“怪談イベント未体験”の友人2人を「怪怪怪怪談!!」に半年かけて誘ってみた

おてもと真悟主催怪談イベント怪怪怪怪談!!日本橋アートスペース兜座

今回は怪談イベント未体験の友人2人を連れて、おてもと真悟さんが主催する「怪怪怪怪談!! ニュー・ウェーブ・スコードロン」(以降「怪怪怪怪談」)に行ってきました。
この記事では、半年かけてイベントに誘うに至った経緯や、最大限に楽しんでもらうためにどんなことをしてきたのか、結果どんな感想をもらえたのか、をレポートしたいと思います。

まずは興味ありそうな人を発掘するところから

そもそも私が人を誘うのは一大事です。
怪談イベントでなくても、退屈させてしまったら申し訳ないのでたいていのイベントには1人で行こうと思うタイプです。
なので、多くの人がいきなり誘われたら抵抗を感じそうな怪談イベントにお誘いするのは相当に勇気がいることでした。

というわけで、誰を誘うべきか目星をつけるためにも、まずは仕込み!
ファーストステップは「私、最近怪談イベントっていうのを知ってね……」と、自分が体験した怪談イベントの話をおもしろおかしく話してみて反応を窺うことからです。

あれは半年以上前、今年の1月だったと思います。
一緒に食事をした際にそんな感じで怪談イベント体験について話したところ、とても興味を持ってくれたのが、今回誘った2人でした。
そのうちの1人は「もし土日に近くでイベントがあるなら声かけてね」とも言ってくれていたので、お誘いする良い機会を探っていました。

怪談師デビューする友人を応援する、というもう一つの目的

では、誘ったイベントがなぜ怪怪怪怪談だったのか?
端的にいうと、私が一緒に「ぽんのうず」としてユニットを組む友人がそのイベントで怪談師としてデビューすることになったからです。
(詳しくは個人のnoteで紹介予定なのでこちらをご覧ください)

イベント概要について伺った時点で、土日の日本橋開催で調整しやすそうですし、一緒に行けないかな? とは思っていました。

しかし、急がば回れ。
いきなり誘うのではなく、「友人が怪談師としてデビューするのを私も応援していて、怪談を集めているんだけど、何か怖い体験はないかな?」と連絡してみました。
それが4月の出来事です。

そうしたらなんと1人は実際に自身の体験をお話してくれることに!
もう1人も怖い体験をしたことはないけれど、ぜひイベントに行ってみたいとお返事をくれました。
取材に応じてくれた友人も、自分の体験がどう話されるのか聴いてみたいということで、3人で一緒に行くことが決まりました。

自分とは縁もゆかりもないイベントより、自分の怪談が話されるかもしれないから聴きたいとか、友達の友達が出るイベントを応援したいといった目的がある方が、行こうという気持ちになりやすかったんじゃないかと思います。

まずは日本橋のティーハウスで優雅に女子会

さて、いよいよ当日を迎えるわけですが、まだライブは始まりません。

初めての怪談イベントなのに、現地集合は味気なさすぎるのではと思いまして、せっかく日本橋で開催されるなら、おしゃれカフェで優雅に女子会をしてから向かおうということになりました。

仮に怪談イベントが期待外れで十分に楽しめなくても、「久しぶりに会ってお茶したの楽しかったね!」という思い出になるので、これで安心です。

事前の腹ごしらえと水分確保は大事

イベントは満席ときいていましたし、良い席で見る方がより楽しいはずなので、開場間もなく中に入れるように、余裕をもってカフェを出発しました。

既に今回のイベントがどんな感じになりそうかもしっかりお伝えして、テンションも高まっています。

ここで、会場に入る前にやるべきこととして最後のフォローアップ。
イベントの終了時刻は21:30頃。
開演前に軽く食べておき、また水分も確保しておいた方がいいので、コンビニに寄ることを提案しました。

誤算だったのは日程が隅田川の花火大会とかぶっていて、おにぎり等の軽食がほぼ完売していたことでしたが、いくつか店をまわって何とかゲットできました。

自分一人なら少しでも存在感を消すために1番後ろの端っこ辺りを狙いますが、今回は2列目の真ん中を確保!
いざ開幕です。

ところで「怪怪怪怪談!!」ってどんなイベント?

この怪怪怪怪談がどんなイベントかというと、怪談師のおてもと真悟さんが主催する、おてもとさんがよりお近付きになりたい、注目する怪談師さん数名をお呼びする「おてもと真悟さんとゆかいな仲間たち」の集う怪談イベントです。
特に今回はニュー・ウェーブ・スコードロンという副題のとおり、怪談師デビューをするぽんすけさんだけでなく、他の出演者さんも最近活動を始めて間もない方々のようです。

出演者はおてもとさん、友人のぽんすけさんに加えて、

  • お笑い芸人「ビギナー」としても活動中でアニメ界隈にも造詣が深いしんべーさん
  • 心霊ドキュメンタリー「Not Found」のAD・リポーターを務める奈古和子(なごわこ)さん
  • 「T-1グランプリ2024」ファイナリストでYouTubeチャンネル『カイキタン/怪奇譚』も運営するヒゲドリアンさん
  • ドラマー、イラストレーターと多彩なフィールドで才能を発揮するフミキモさん

という全6名、まさに新進気鋭の方々という印象です。

渾身の怪談1本披露 & わちゃわちゃ楽しいクロストーク

イベントは二部構成。一部では一人ずつ5〜10分の怪談が披露され、二部では2グループに分かれて、順番にカジュアルなクロストークが行われ、怖い話がさしはさまれていく内容でした。

一部はそれぞれの自己紹介にもなるような、個性あふれる渾身の怪談が語られていました。ヒトコワ系あり、幼少期の体験あり、職業あるあるトークありで、これらを聴いただけでも怪談って色々あるんだなぁというのが感じられます。
「配信なし」のクローズドイベントだったこともあって、具体的な地名なども次々飛び出し、解像度高くお話をきくことができたのもよかったです。

おてもとさんは、いろいろな方の師匠も(笑)、主催者も務めているだけあり、情景が目に浮かぶ、夏祭りを舞台にしたノスタルジックな怪談を語っていて、さすが! の実力を発揮されていました。
いつも通り1人だけ椅子をどかしたスタンディングスタイルです。

二部はじゃんけんで【しんべーさん・ヒゲドリアンさん組】と【奈古和子さん・フミキモさん・ぽんすけさん組】に分かれることに。
おてもとさんの安定感のあるファシリテーションにより、全員がそれぞれのキャラを存分に発揮しながら、笑いあり、怖い話ありで大変盛り上がりました。
二手に分かれたのに、その組でない方のメンバーが乱入してくる場面もあり、そんなわちゃわちゃ感に、見ているこちらもニコニコです

心霊写真をスマホで見せあって「えーこわい!!」と大騒ぎしたり、「障る植物」→「障る演劇の演目」→「事前に参拝する習慣がある」→「ぐねぐねの参道怖い」みたいに不思議な話が立て続いたりするのはクロストークらしくてワクワクしました。

また、ニューウェーブならではというか、「そのカットインうまいですね」とぽんすけさんが褒められる場面があったり、「しんべーさんが一人称をしんべーにしていたので私も名前を覚えてもらえるようにそうします」と奈古さんの一人称が「奈古は」になったり、トークしながら気付きが共有されてアップデートする感じには、さらに別の面白さがありました。

友人に誘われたら、また行ってみたい人大多数

初めて参加した友人2人はどんな感想を持ったのでしょうか?

結論からいうと「またこういうのあったら誘って!」「ぽんすけさんの舞台がまたあるなら行きたい!」ということで、とても楽しんでいただけたようでした
よかった!!

実は今回、私の友人のぽんすけさんの応援団として、普段怪談イベントに馴染みのない約10名も参加していました。

せっかくなので、私の友人2人も含め、簡単にアンケート形式で感想をきいてみたのでご紹介します。
回答した人たちは、「怪談イベントに初めて参加」が3/4、「1,2回程度しか怪談イベントにいったことがない」人たちをそこに加えると9割近くになり、ほとんどの人が怪談イベントに日常的に触れる機会がないことがわかります。

そんな人たちに「率直にどうでしたか?」ときいてみたところ、とてもポジティブな感想が集まりました。

あんなに鳥肌が立つとは思ってなかった!!
怖い話は、みたり読んだりしてましたが、イベントは初めて。
語りだけだからこそ想像力がとまらず、めちゃ怖かったです。

新しい世界を体験出来て良かったです。
ただ思ったより怖かった……!
聞いている時というより、後から1人になった時を想像して怖くなる感じでした
ビジュアルがなくてもこんな想像出来てしまうなんて

みなさんの話力に脱帽でした!
もっと怖いと思ってましたが、いい感じに笑いもあって楽しかったです!

「どうしたらもっと怪談イベントに参加したくなると思いますか?」という質問に対しては、そもそもイベントの存在を知らないし、想像もできないのを改善すべし、という下記のようなコメントが大半でした。

今回はぽんすけ繋がりでお伺いできましたが、実のところ、「常連ばかりで盛り上がる会なのではないか?」とか、「アングラな雰囲気なのかな?」と不安に思ってました
お客さんの様子などの写真があると、より参加ハードルが下がるのでは!?

そもそも怪談イベントの存在を知らない人も多いと思うので、おもしろかったと感想を言いふらしてもらって周知する。

尚、「一人でもまた行きたい」と答える人は一人もいない一方で、ほぼ全員が「友人に誘われたらまた行きたい!」と回答しています。

怪談イベント未経験の方もどんどんお誘いしていこう

このコラムは、今回お誘いしたような、怪談イベントにほとんど行ったことがない方に向けて、初心者視点でテーマを決めてライブレポとしてまとめています。

が、今回は結果的に怪談イベント未経験の友人を誘いたい人にもぜひ読んでいただきたい記事になりました。

同じ温度感で熱中するフェーズにまでたどり着く人は多くはないかもしれないですが、友人に誘われるならまた行きたいと思う人が沢山いるというのは、怪談イベントが決して「一部の人だけが面白いと感じるコンテンツ」ではない証拠です。
そして数ヶ月に一回でも誘われて怪談イベントに行く人が増えれば、それはとても素敵なことだと思うのです。

そして今回、イベント内容を発信していくことも大事だということが、改めてわかりました。
今後も少しでもこのコラム等を通じて「怪談イベントを見に行きたいけれど、私が行っていいものなのかな」と思う方のハードルを下げていきたい所存です。

Kana
2023年初めて怪談ライブに行き、本職での10年以上の広報経験から多くの人にその魅力を広めたくなってコラムを始める。
はじめての怪談レポートはこちら
雑談系Podcast「誤り続けるオンナたち」配信中。
「ぽんのうず」でホラーゲーム制作にも挑戦。

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