カオスパニックレポート 2日目

匠平主催怪談イベントフェスティバルカオスパニックchaospanic

北海道河西郡芽室町で2024年7月6日(土)と7日(日)の2日間開催された、怪談・プラモデル・コスプレ・漫画・イラスト等のサブカルチャーに特化したサーキットフェス「カオスパニック ~サブカルで勝手に町おこし~」。
大好評だったその現場の模様を、出演者でもあるオオタケさんのレポートでお伝えする。
現在発売中の配信アーカイブとあわせて是非お楽しみ下さい。

1日目はこちら

2日目、天気曇りときどきちょっと雨。

2日目! いよいよ本祭です!
1日目は実は前夜祭で、怪談特化・怪談まみれの1日だったのですが、2日目の本祭は「サブカルで芽室町を盛り上げよう」ということで、怪談以外にもコスプレ、漫画、プラモデルなどのコンテンツが盛りだくさん!
ということは、出番以外の自由時間がたくさんある!
いっぱい見て回って演者も目一杯楽しめる1日です!

先ずはメインステージの怪談からスタート!
わたしもそこから参加……の予定だったのですが、スケジュールの関係で村上ロックさんと急遽出番交代になり、会場をウロウロ出来るまとまった時間が出来ました!
やったね!

コスプレ教室(撮影スポットも更衣室もある!)の場所がわからないレイヤーさんに声をかけられ、一緒に部屋を探しに行ったりしてたら、怪談教室がちょうどスタートする時間に!
これ幸いと覗いてみると最前列の可愛いお姉さんの横に空きがあったので、シュッとお邪魔しました。

実際に教室で怪談を聴き始めると、まずまあ〜距離感が近い!!
こんなに近くで1人1人顔を見てもらいながらお話聴けるのすごいぞ…! と感動しました。
わたしが見た回は大赤見ノヴさん、影塚艶鷲さん、ヤースーさんの3名。
軽妙で笑いの絶えない導入から、梅木さんと艶鷲さんが初対面で「初めまして」した時に生まれた【私が影塚艶鷲だ】のノリが発展していって、「梅木さんが勝手にイメージで作り上げた仮想影塚艶鷲を、影塚艶鷲本人がそのキャラを演じながら怪異現象の起こらない怪談を話す」という無茶振りが発生し、まさかのノヴさんは「俺こっちで見たいわ!」と言って客席側に座り出し……というまさに”カオスパニック”で大爆笑な名場面が発生しました(ぜひ配信でご確認ください!)。
皆のびのびと怪談や演者間、お客さまとのやり取りを楽しんでいて、演者もお客さまも本当にずっとニコニコでめちゃくちゃハッピー空間でした。

キリのいいタイミングで抜けて、気になってたプラモデル教室へ。
プラモデル教室は、プロのプラモデラーの方の作品たちが展示されて、簡単なプラモデルをその場で作る体験も出来るとの事。
タイムテーブルには「13:00 村上ロック」と割り振られていて、匠平さんに「プラモデル教室で怪談話すの?」と聞いたら「ううん、プラモデル教室だからロックさんがプラモデルを作る時間だよ!」と聞かされ、「??????」となってて、どうしても見に行きたかったのです!

教室に着いたら沢山の素敵なプラモデルたち……と、めちゃくちゃ部屋の隅っこで壁に向かってちまちま1人でプラモデル作ってるロックさん!!
周りに誰も人がいない!!!!!!
本当にただプラモデル作ってる!!!!!!
シュールすぎて何枚も写真を撮ってしまいました。
思わず横の椅子に座り、こういう感じなんですねえ……と声をかけると「プラモデル、本気で作ってます!」とニコニコのロックさん。

「実は小さい頃はプラモデルめちゃくちゃ作ってて〜」
「大人になってから子供の頃に比べて手が届きやすい分、沼だと思って手を出してなくて~」
「でもプラモデルは好きだから毎月雑誌を読んでて……」
お話ししてくれながらもずっとプラモデルを作り続けるロックさん。

合間合間にそっとお客さまや演者が寄ってきて、プラモデルを作ってるロックさんの写真を撮ってそっと微笑みながら去っていく謎の心地よい空間で、わたしもプラモデル展示をゆっくり見ながら時折ロックさんを眺めたり、ちょっとだけ声をかけてまったり過ごしました。
(ロックさんはスケジュールの関係で途中で帰らないといけなかったのですがその時間のギリギリまで粘ってプラモデルを作っていたそうです)

大人気だったのは漫画・イラスト教室!
ここは常に人がパンパンで、一回も中に入れませんでした……。
漫画家・中山昌亮先生の原画がずらりと展示された教室で、怪談師が語った怪談をキャンパスがわりの掛け軸にイラスト化する中山先生のライブドローイングは見応え抜群で、大人気だったのも納得です。
みんなが終了後口々に「ライブドローイング中不思議なことが複数回起こった!」と言っていたので、生で見られた方はめちゃくちゃラッキーだったと思います!
余談ですが中山先生は本当に優しくて素敵な方で、会場内でばったりお会いしたらついつい怪談で盛り上がって、沢山ものすごいお話を聞かせて下さりほくほくでございました。

この2日間でみんなが大満喫していたのがフードトラック。
北海道の色んな美味しいものたちが集まっていて、これがめちゃくちゃ美味しくて楽しい!
空いてる時間の演者がすーぐにやってくるので、そこでお客さまとお喋りしながら一緒にご飯食べたり、写真撮ったりサインしたり、お客さまから一杯プレゼントして貰ったり(わたしも頂きました! ご馳走様です!)ものすごく演者とお客さまの距離が近くて、一緒にお祭りを楽しめる空間でした。
このフードトラックエリアは入場無料なので、本当〜〜〜に何も知らない町のおじいちゃまが「アイスコーヒーをくださいね、あの、今日はなにかのお祭りなんですか?」と訪ねている姿もお見かけして、「ちゃんと町おこしだーーー!」と興奮しました!
おじいちゃま、ニコニコしながら沢山写真撮って回っててすごい嬉しかったな。

すごく満喫した自負があるんですが悔いが残っていて……。
フードトラックの方たちがめちゃくちゃ優しい方たちすぎて、もぐもぐしてると「良かったらこれも食べてください〜!」って、何故か頼んでいない(メニューにも載っていない)美味しいものが出て来るんです(周りのお客さまにもガンガンお渡ししてた)。
それがまためちゃくちゃ美味しくて幸せだったのですが、おかげでお腹がパンパンになってしまって全店舗制覇出来なかった……悔しいっ!
次回は傾向と対策練ります!
これも余談ですがフードトラックの中に匠平さんがすすきのでやってらっしゃるバー「クラフトアティック」もドリンクで出店されていて、そこが居心地よくてついついスタッフさんとお喋りしに行ってたんですが、顔出してくれる常連さんたちがいちいち「◯◯◯ーの契約農家」「◯&◯とコラボしてうちの野菜で◯◯作った」と大企業名の連発でめちゃくちゃ北海道を感じました。

そうこうしてるうちに出番だ!
ロックさんと交代したのでわたしの出演がイレギュラーになっており、怪談教室を途中で抜けてそのままメインステージの体育館に上がるという流れに。
怪談教室では響さん艶鷲さんとご一緒したのですが、響さんが「僕、オオタケさんの話ですごく好きなお話があって……」といって、いきなり◯◯◯怪談をリクエストされてめちゃくちゃびっくりしたのと嬉しすぎました!!
響さんも◯◯◯怪談お好きだったんだ〜〜〜!(これ絶対配信見て〜〜〜!)
すごく楽しくてもっと話したかったけど、ピンチヒッターの匠平さんにバトンタッチしてわたしはメインステージへ!

ロックさんが入るはずだったこのステージは、BBゴローさん、梅木さん、田中さんという面々で、そこにオオタケが入るというまさにカオスパニック!
田中さんが昨日の夜入手しためちゃくちゃ怖い映像の話というホットな話題から、みんな話が止まらない!
わたしも「これだけは話したい!」という怪談が出来て「ヨッシャ!」となりました。

自由度が高い二日目だからこそ、演者が客席に普通に座っている光景が沢山見られて、それが特に顕著だったのがコスプレステージだったと思います。
皆さん素敵なコスプレをされて色んな曲で踊りながら魅せてくれるなか、ふと客席を見るとリズム取りながら見てる梅木さんやノリノリのBBゴローさん、大自然が故の虫の乱入に咄嗟にステージに飛び入りする高田公太さん(これほんとサイコーなので全員見てほしい)など、カルチャーが本当にカオスになっていてめちゃくちゃ楽しかったです。
個人的には、1人で見てらした女性のお客さまのお隣に座らせてもらって見たステージで、最後にドラえもんの歌が流れた時、なぜか胸がいっぱいになってしまって涙が出てきて、思わず横見たら隣の女性も泣いてて、ステージが終わってからレイヤーさんのところに向かって2人で「すごいよがっだでず〜〜〜」と泣きながら伝えにいったのは思い出深いハイライトでした。

ちょっとまったりになった夕方ごろ。
ノヴさんと梅木さんがグラウンドで無邪気にサッカーしてるのをにっこり眺めながらクラフトアティックのアイスコーヒー(最高に美味い……毎日5杯ずつ飲んだ!)を楽しんでたら、2日間通しでいらしてたお客さまが声掛けてくださって「オオタケのことは今回初めて知って、怪談聞いて自分の体験談を聞いて欲しくなった」と嬉しいことを言っていただき、学校の校庭という素敵なロケーションでじっくりお話伺えて幸せでした。

お話に集中しすぎて、今回メインステージで一番カオスで説明がざっくばらんな部分だった「業種ぐちゃぐちゃ怪談」はどうなってるだろう……?
遅刻しつつ玄関に入ると匠平さんとばったり。
開口一番、

「オオタケさ〜んなんか今までの職歴で、その仕事にまつわる怪談ないかな? それ今ステージで喋ってきてもらっていいかい? よろしく〜!!」

と送り出され、よくわからんままとりあえず袖に行き、袖でよくわかってない人たちとどうするどうすると作戦会議し、なんとかわたしも職業怪談やってきました!
あれ咄嗟にパッと出てこないもんですね……何怪談をしたかは、是非配信でお楽しみください!
わたしも前半観れなかったから早速観ます!

そしてそのままの流れでメインステージ体育館でのコスプレランウェイを、福岡遠征組のお客さんと今回仲良くなった艶鷲さんとみんなで並んで堪能して、いよいよエンディングへ!
壇上に演者全員で集まってお客さまにお写真撮ってもらって、あのわちゃわちゃした感じを大人数で最後にやるのってほんとにお祭り感があるなあ〜と、とても感慨深かったです。
MCの大林さんの掛け声で体育館に響き渡る大きな声で「カオスパニック!サイコー!」で〆!

その後、打ち上げは車で30分行った帯広のお店だったので、匠平さんが送ってくれました。

「終わったね……お疲れさまね」と伝えると匠平さんはすぐ、「これで来年どうすればいいか見えた」って仰ってて、思わず泣きそうでした。
やってみないとわからないことってめちゃくちゃいっぱいあります。
わたしは今回「地方でイベント頑張ってる勢」として呼んでもらって、痛いぐらい気持ちが分かる場面が何度もありました。
やってみて、もっとこうすれば……ああすれば……って色々出てくるし、そういう課題は次に活きるし、でもそれは一旦置いておいて、まずは第1回、今回こんなにお客さまがずっとニコニコしてて、こんなに距離が近くて、みんなが楽しいイベントをスタートさせてくれたことに本当にお礼を言いたいです。

帯広までの車中、実は後ろに乗ってた響さんと3人で「2時間後には忘れてる話」を30分して、大爆笑ののち本当に2時間後忘れたのがめちゃくちゃ楽しかったです。

2泊3日合宿みたいで、共演させて頂いた皆さんの事がもっともっと大好きになりました!
今とても寂しい!!
カオスパニック、第2回も絶対呼んでくれよな!!!

オオタケ
怪談収集家。
福岡を拠点に、収集した怪談を全国で語る活動をしている。
主な出演作は「怪談家ぁみの怪トーク」「実話怪談倶楽部(MVK受賞)」「Tokyo Kwaidan Festival2024」「島田秀平のお怪談巡り」「テレビ西日本 首都福岡」、掲載に「讀賣新聞」「BRUTUS」等。

リンク
サブカルフェス『カオスパニック』(ツイキャス配信)

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