8月28日に渋谷で開催された怪談サーキットフェスティバル『HORROR TELLER FESTIVAL 2024』。
主催の怪談家ぁみさんをはじめ、30組を超える怪談師が4会場で同時多発的にトークイベントを繰り広げる——そんな怪談師であれば誰もが憧れる大舞台に、なんと我ら怪談ガタリー編集部(おてもと真悟、はおまりこ、ホームタウン)も出演者として参加させて頂きました。
今回は編集部ライターはおまりこの視点から、『HORROR TELLER FESTIVAL 2024』の振り返りレポート後編をお届けいたします。
星野しづくさん & ガタリーでKOM〜Kaidan Open Mic〜
この頃のサインミッションはというと、3分の2ほど埋まってはいたものの、この後の出演や観覧したいステージとの兼ね合いを考えると「……これ、全部揃えるの無理じゃないか?」という状況。
えいままよ! 最悪打ち上げか後日に集めれば良いのだ! と腹を括って、星野しづくさんのオープンマイクイベントへ!
このパートはしづくさんと怪談ガタリー編集長の2人が、会場のお客様に怪談をお聞きする怪談座談会形式。
伊山さんや会場に遊びに来ていた空原涼馬さんに続いて、私も妖怪話を1話語らせて頂きましたが、いや〜オープンマイクって好きなんですよねぇ!
お客様の生の話を皆で聞いて、それを皆で語り合う。
会場が一体になるようなあの空気がたまりません。
怪談は「聞く」だけでなく「語り合う」ものである、という事も体感させてくれる。
ホラフェスは様々な怪談の愉しみ方を体感できる場なのです。
怪談界の暗黒武術大会! 全国お前だー!選手権2024
そしてKOMの後は、どうしても見たかった「全国お前だー!選手権2024」に途中潜入!
実は、サインミッションをしながら控室で出演者の皆さんとお話していると、「お前だー!選手権の練習しないと……」とか「1年、お前だー!選手権に準備してきたから」という方がチラホラ。
全員「ショーレースの楽屋か?」という程、目がギラギラとしている。
しかもそのメンバーがまあエグい。
このメンバーが本気になるってどんだけ豪華なんだ!
というわけで、一部しか観られないのを覚悟で、この怪談暗黒武術大会にやってきたのでした。
匠平さんの泣ける「お前だー!」、つばささんのそう来たか! という切り口の「お前だー!」、南条さんのまるでアトラクションのようなめくるめく「お前だー!」の世界……どの「お前だー!」も切り口が斬新であっと驚く構成ばかり(全編観たかった……)。
そんな中、DJ響さんが王道の「お前だー!」を披露して優勝されたとのこと。
展開まで、まるで少年漫画じゃあないですか……悠遠かなたさんが仰る通り、来年はメインステージでの開催になるのではないか?! と思わせる盛り上がりをみせた、「全国お前だー!選手権2024」でした。
かかりすぎだろ!! 催眠術✕怪談テラー
お前だー!選手権の熱気に後ろ髪を引かれながらも次に向かったのは、ぁみさんの相方である細野さんの催眠術ライブ。
ホームタウンさん、佐伯つばささん、はおの3名がステージに上がり、細野さんの催眠術を会場一体となって体感しました。
催眠術に果たして自分はかかるのだろうか……ワクワクを胸にいざ実践。
細野さんの催眠術は、まずは指先や手から始まり、次の段階で二の腕、そして、腕全体、その先が全身や心の動き自体を操作する段階となっていくのですが、さすがというべきか臨床心理士のつばささんは一切かからず、はおは指はくっつくけど二の腕まではかからない中途半端ぶり。
そんな催眠劣等生達の二人を尻目に、とんでもない輝きを見せたのが我らが編集長ホームタウンさんでした。
身体全体を動けなくされる事に始まり、ステージ上で寝息を立てながら深い催眠状態に陥り、ラーメンしか言えなくなる、ペットボトルを宝物のように守って奪おうとする人間を睨みつける……など信じられない行動が続き、会場は唖然。
最前列で見守るクダマツヒロシさんも思わず「ウソやろ……」と漏らす事態に!
あまりのかかりっぷりに、つばささんの目がどんどん鋭くなり、完全に臨床心理士の顔になる中、このコーナーが大好きだという島田秀平さんが颯爽と登場。
その島田さんを想い人として、ついに禁断の「恋する催眠術」をかけられるホームタウンさん。
好きが溢れて仕方なくて、島田さんの手を固く握ったまま離さないホームタウンさんは、なかなかに乙女で恐怖でした。
テレビで見てて「ホントかよ〜」なんて思っていた催眠術でしたが、知り合いがかかるとこんなにも驚愕するものなのです。
これもまた広く言えばホラー。
改めて、ホラフェスのカバー範囲に恐れ入るのでした。
仕事人Yさん、そしてフィナーレ
催眠術ライブも終わると、もうまもなくフィナーレ。
バタバタと控室に戻ると、なんとYさんが残り全員のサインを回収してミッションをコンプリートしてくださっていたんです!
仕事人すぎて涙が……そんなYさん7割・はお3割の血と汗と涙のミッションコンプリートを編集長に報告して、目まぐるしい1日もあっという間に終わり。
フィナーレは開幕宣言よりもさらに多くの怪談師の皆さんがずらりと並んで今日一日を振り返り、それをお客様が見守ります。
きっとこの大勢のお客様一人一人が、そして出演者自身も、それぞれ全く違う自分だけの巡り方で今日一日を楽しんだのだと思うと、なんとも不思議な気持ちでした。
全員が「ホラフェス」を楽しみながら、同時に自分だけの「ホラフェス」が作れる。
それこそがこのイベントの魅力なのかもしれません。
また来年も絶対行くぞ! ホラフェス最高!!