
怪談が、これほどまでに熱く鳴り響いた夜が、かつてあっただろうか——。
2026年4月23日、学芸大学MAPLEHOUSE。
怪談家ぁみの活動20周年という大きな節目を締めくくる『aMI 20th ANNIVERSARY YEAR LAST LIVE』が開催された。

会場は、歴史的な一夜を目撃しようと詰めかけたファンで超満員。
立錐の余地もないフロアには、開演前から独特な緊張感と、それ以上の「お祝いムード」という名の温かい熱気が充満していた。
19時、暗転。
ステージにこの日の主役が姿を現すと、割れんばかりの拍手が彼を包み込む。

20年間、日本のホラー・怪談シーンの最前線を泥臭く、しかし誰よりもポップに走り続けてきた男の背中は、どこか誇らしげだ。
ライブは驚きの3部構成、約3時間に及ぶ大ボリュームで展開された。
第1部は、ファン待望のぁみによるソロパート。

挨拶代わりに放たれたのは、怪談フリークたちを「ニヤニヤ」と狂喜させる、マニアックで濃密な実話怪談の数々だ。
客席からは、恐怖による息を呑む音と、軽妙かつ恐ろしい語り口への感嘆が同時に漏れる。


驚くべきは、披露された話のすべてが「最近仕入れたばかりの初出しエピソード」だったこと。
20周年というキャリアに胡坐をかくことなく、常に「今が最新で最恐」であることを証明してみせる、怪談家としての圧倒的なプライドがそこにはあった。
情景が脳裏にヌッと浮かび上がるような緻密な描写によって、フロアの空気は一瞬にして、彼の紡ぐ漆黒の怪異へと引きずり込まれていった。

豪華テラー13名が集結した奇跡の第2部
しかし、この夜の凄まじさはここからだった。
記念すべきステージのお祝いに駆けつけた怪談テラーが、なんと総勢13名。
現在の怪談界を牽引するトップランナーから実力派まで、ぁみを慕う仲間たちがズラリと一堂に会したのだ。









そこからは、まさに「怪談の波状攻撃」。
バトンを繋ぐように、異なるカラーを持つテラーたちが、リレー形式でそれぞれの話をぶつけてくる。
ぁみのソロと合わせ、この夜に飛び交った怪談は合計18話にのぼった。
普段はライブハウスとして様々なグルーヴを奏でるMAPLEHOUSEが、この夜はまるで見えない霊気が渦巻くような、濃密で、贅沢で、圧倒的な怪談空間へと変貌を遂げていた。
客席の誰もが恐怖に身を震わせながらも、エンターテインメントとしての質の高さに満面の笑みを浮かべているという、最高に奇妙で美しい光景が広がっていた。



20キロ減量をかけた運命の公開体重測定
そして、この熱狂的なライブのエンディングに用意されていたのは、ある意味で怪談以上にスリリングな「もう一つのメインイベント」だった。
1年前の2025年4月、ぁみは「20周年イヤーにかけて、1年で20キロ落とす」という壮大な減量プロジェクトを開始。
当時の体重は143.9キロ。
つまり、このステージ上で123.9キロを下回っていなければ「失敗」となる、正真正銘の公開ガチンコ測定である。

ステージ中央に運び込まれる体重計。
13名のテラーと会場のファン全員が固唾をのんで見守る中、ぁみがゆっくりとステップに足を乗せる。



緊張の瞬間——モニターに表示された数字は「126.7キロ」。
「あれ? おかしいな……あ、すみません、マイクスタンドを持ったままでした!」
後ろ手にマイクスタンドを隠し持って測定するという愛らしいボケが炸裂し、会場は大爆笑。
張り詰めた緊張が一気に笑いへと昇華する。
そして、正真正銘の生身で乗り直した運命の結果は——「119.3キロ」!


目標を大幅にクリアする、見事な20キロ以上の減量成功!
その瞬間、この日一番の大歓声と拍手が鳴り響いた。

1年間、ストイックに自分を律し、耐え抜いてみせた努力の結晶(なんと当日は水抜きまでする徹底っぷり!)。
20周年というアニバーサリーを、自らの肉体と、最恐の怪談と、最高の仲間たちで祝福してみせたのだ。


多くの著名人やファンからの差し入れと祝福のメッセージに囲まれ、ライブを終えたぁみは「これからも楽しんでもらえるステージを作れるよう、一生懸命がんばります」と、次なる未来へ向けて力強く宣言した。
恐怖をエンターテインメントに変え、人と人を繋ぎ、最後は全員を笑顔にする。
怪談家ぁみが歩んできた20年の軌跡は、まさにこの日のライブそのものだった。
日本の怪談界の太陽は、21年目からも僕たちに極上の「恐怖」と「歓喜」を届け続けてくれるに違いない。















